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2008-8-26 16:58

たまにはあり?仕立て船でのヒラメ&カレイ-フィールドレポート(SHIZENCLUB)

仕立船ならではの欲張りリレー。ヒラメ釣りだからといって絶好調のカレイを逃す手はない? 船長によると、今シーズンはおおむねカタクチイワシの型がよく、僅か2回か3回だけがチビイワシで、それを除けばエサにばっちりのサイズだったそうだが、…当日はその2回か3回のうちの1回。ついてない 秋の本格シーズンを前に、南三陸歌津沖から一風変わったヒラメ釣りスタイルをお届け。釣り人はおなじみ伊藤育男さん。8月中旬、仲間3人と泊浜漁港の清重丸で船を仕立ててヒラメ釣りを楽しんできたそうだが、この日の出船形式は、なんとヒラメ→カレイのリレー。前半にヒラメを狙い、後半にカレイというあまり聞かないスタイルでの出船だったのだ。清重丸の小山船長によると、「普通は後半にちょっとだけカレイやったってたいして釣れないんですよ。だからいつもだったらとめるんだけど、今年は別格。カレイが絶好調だからね」 このなんとも欲張りなリレー、仕立船ならば事前に伝えておけば可能とのことで、「前もって言ってもらえれば、ヒラメのあとにマコガレイでも大丈夫ですよ。仕立てだから当日の途中で切り替えるのも可能なんですけど、当日にいきなり言われると、ポイントを探しておいたり船頭の心構えができていないので正直困りますね。それから乗合船では基本的にNGなんだけど、前にヒラメが不調で事前に『後半オキメバルもやります』って伝えておいて出船したこともあります。そのときはオキメバルが好調でかえって喜ばれましたよ」。というわけで幹事さんは早めに意思を伝えておくと吉。乗合船でもそういう提案があったら意地を張らずに従ってみると、きっといいことがあるはずだ。 また、伊藤さんらが後半にマコガレイを釣ったのは、カレイがかなり好調だったという理由のほかに、マコガレイを希望する同船者がいたためでもある。それと、「イワシが小さかったので、アオイソメも準備しておいて正解でした。イワシの型ばかりはどうしようもありませんからね」。小山船長によると、今シーズンはエサのイワシの型が平均してよく、7月から8月下旬までの間で2、3回を除いて全て活きエサに向いた良型イワシだったとのこと。が、その2、3回のうちの1回が残念ながらこの日だったのだ。イワシの型はそのときの運しだいで、こればかりはしかたないのだけど、事前情報でイワシが小さい、なんて話が入っていた場合も一考を。「なんとなくそんな予感もしてたので、後半はマコガレイのつもりで準備してたんです。カレイ調子いいし、カレイやりたいって人もいたのでちょうどよかったですけどね」 かなりの難条件にも関わらず、善戦をみせたヒラメの部 左上、右上)いい竿曲がりで上がってきたのはまずまずの50cm級。左下)解説の伊藤さんもしっかり1枚。40cm弱だが、渋い中の貴重な1枚を上げた。右下)当日は底でもサバが食ってくる状況。40cm超の良型も出たものの…やっぱり微妙 8月に入ってからは釣況的に今ひとつで、かつイワシも小さかったこの日は、前半のヒラメの部では予想通りになかなかの苦戦。泊浜沖の水深35、6mライン、砂地に点在する根の周辺を根も入れつつ丁寧に探ったものの、ヒラメの食いはもうひとつだった。魚探には上から下まで小魚の反応が映っており、それをヒラメが食っているからヒラメの反応が薄いんだろう、とは船長の見解。 また、時折40cm超のサバが食ってくるのだが、掛かるのがいつもの仕掛け沈下中&巻き上げ中ではなく底ダナで、それもさらに状況を厳しくさせた。おみやげとしては嬉しいんだけど、サバにヒラメのタナまで入り込まれると相当苦しくなる。そんな難条件の中だったが、それでもなんとか伊藤さんが本命を1枚上げ、また、同船者が50cm級の良型を、ヒラメのほかにはアイナメやマゾイが釣れるなど、難条件下にしてはまずまずの釣果が出た。根周りを狙うとヒラメ以外の魚も釣れてくれるから、東北のヒラメ釣りはありがたい。 苦戦を強いられたヒラメに対して、カレイの部はこれまた予想通りに絶好調。竿を出したのは後半の2時間半のみだったが、4人で本命が12枚の釣果。全て30cm前後のまずまずサイズで型がそろい、日が昇ってからの後半のみに竿を出したとは思えない釣果に恵まれた。ポイントはホヤの養殖棚周り。いつものように棚にかかって釣るのではなく、棚周りを広く流すように探って釣っていった。水深は22、3mと、この時期にしては水深も浅く、おもしろい釣りができたとのこと。海底の様子が感じられるので、マコガレイ釣りは浅場ほど楽しい。誘いもアタリも引きもよりダイレクトに伝わってくる。「今から晩秋のハイシーズンが楽しみになりますね」とは浅場のマコガレイ釣りに惚れ込んでいる伊藤さんのコメント。 日が高く昇ってからの後半勝負にも関わらず、カレイは大満足の釣果 渋いヒラメに対してマコガレイは絶好調。本来は期待度の低い後半勝負にも関わらず、2時間半で船中12枚の釣果。型は27、8〜32、3cmのまずまずサイズで揃った 恐らく「ヒラメがあんまり釣れていないからカレイにしたら?」と船宿に提案された釣り人も多かったはずの今季。仕立船ならでは、かつカレイ好調の今シーズンならではのヒラメ→カレイのリレー方式は、ヒラメの数が今ひとつのときの苦肉の策なので、これからの好シーズンには無用かもしれない。けれど、幹事さんは覚えておくときっと仲間に感謝されることもあるはず。本命が好調なのが一番なんだけどね。 なお、歌津沖などの南三陸沖のヒラメ釣りでは、外洋寄りのポイントで一発大型を狙うケースと、湾内などで数を狙うケースがある。そのときのポイントの釣況などで自由自在とはいかないが、数と型を狙い分けられるのも三陸のヒラメ釣りの魅力なのだ。清重丸の本船(第七清重丸)は、もちろん釣り人の希望にもよるものの、型を望む常連さんが多いこともあって一発大型での出船が多いそうで、今シーズンは開幕直後の7月6日に105cm、11.7kgの怪物が出ているほか、近いところでは8月16日に75cmも出ている。その後は悪天候続きで出船機会が少ないが、これから9、10月はヒラメのベストシーズン。上向いていく釣況に要注目だ。

フィールドレポート(SHIZENCLUB)

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