シチュエーション別の使用法とタックルセッティング編 皆様こんにちは、ジャッカル社のジミーシリーズルアーのデザイナーをしています横山朋毅(よこやま ともき)と申します。 前回のキングジミーヘンジ開発秘話第2章では、本体の大型化に伴うパーツ形状の最適化、そして素材を塩入りのエラストマー製に変更した経緯とその理由を解説しました。 多くのテストとそれを反映させる改良を重ねて完成に至ったキングジミーヘンジ。 “今回は出し所となるシチュエーション”と”効果的な使用法、キングジミーヘンジの魅力を存分に引き出すタックルセッティング”についてお話しします。 前回、お伝えしたとおりキングジミーヘンジは今までの小さなサイズのジミーヘンジとは正反対のコンセプトである「カバーやボトムに絡めたスローな誘い」を主眼に置いて開発を進めてきました。 具体的には・リザーバーの立ち木や冠水ブッシュへのフォールとそれらに絡めてのシェイク・自然湖ではフラットボトムやロック帯でのズル引きとハングオフなどが効果的なシチュエーションと使い方です。 リグの種類やそのウェイトによってアクションは変わりますが、・基本的にはフォールやズル引きでは自発的なアーム部のうねり、・下方向へのシェイクでは抵抗になるアームを中心に短いボディーが前後に半回転する動きとそれに連動してアーム先端部が捻れて戻るという艶かしく複雑なアクションを演出することが可能です。 リギング例 ダウンショットリグ 代表的なリギング例は、ダウンショットリグ、それも7〜14gのヘビーウェイトかつ、長さ1〜10cm程度のショートリーダーを用いるのがテストでは最も実績を上げている使い方です。 合わせるフックはジャッカル・スクイーズとスクイーズメタルガードといったガード付きマスバリの3/0サイズがベスト。 特に冠水ブッシュ等のヘビーなカバーではメタルガードタイプを選ぶのがオススメで、キングジミーヘンジのフロントカップ内中央部にある突起に軽くチョン掛けするだけ。強度の高いエラストマー製ですので身切れの心配はほぼありません。 リギング例 ネイルリグ もう一つよく使うのは、軽いネコリグ用ネイルシンカーを挿入して使うネイルリグ。 キングジミーヘンジ本体にフックをチョン掛けしただけのノーシンカー状態でもゆっくり沈むのですが、塩入りといえども素材として元々が浮力の高いエラストマー製ですので通常の高比重ワームと比べると沈みはかなり遅いです。 そこで0.9〜2.2g程度のネイルシンカーをフックセット用の突起中央部に開いたホールに挿入してから蓋をするようにフックをチョン掛けして使うことで高比重ワーム感覚で扱うことができます。 ホールは反対のお尻側にも開いていますがカップ側とは貫通しておらず、あくまで補助的なもの。 基本としては、カップ側ホールからシンカーを挿入して奥まで到達したら更に押し込んで固定します。 お尻側の穴はディープまで素早く落としたい、あるいは強風下での使用感を上げたい時に2本目のネイルシンカーを刺し、更にウェイトアップしたい場面で使います。 リグの使い分け とにかくヘビーなカバーに入れたい場面やボトムから浮かせず誘いたい時はヘビーダウンショット、それも極力ショートリーダーの物を使用。 立ち木やアシ際、テトラ帯等でのフォールとそこから手前へのズル引きという高比重ワーム感覚で使いたい場合は、狙いのフォールスピードに応じたシンカーを挿入したネイルリグを使っています。 使用するタックルはヘビダン・ネイルリグ共に・ミディアム〜ミディアムヘビーアクションのベイトロッド・通常のベイトリール(キングジミーヘンジは単体で約10gありますのでベイトフィネスリールは不適合)・ラインはフロロカーボン12〜16lb範囲内で狙うスポットのカバーの状況やそのフィールドで釣れるバスのサイズ等を考慮した上で操作性を損なわないものを選んでください。 キングジミーヘンジ自体が直径の大きいカップ形状で回収中の抵抗感がそれなりに強いので、ロッドティップはある程度硬めの方が適しています。 大事な注意点として、キングジミーヘンジに採用しているエラストマー素材は通常のワーム素材とは別々に保管しないと化学反応で溶けてしまいますのでお気を付けください! 真夏の車内等の高温環境もエラストマー製ソフトベイトの大敵です。 エラストマー素材できたキングジミーヘンジで私が行っている裏技として、販売時にアーム部に癖が付かないように収納されているブリスターから敢えて取り出し、アーム部をカップ側に向けた状態で釣行数日前から保管します。 通常のワーム素材と比べて保管時の癖が付きやすいエラストマー素材の特性を逆手に取った方法なのですが、こうすることによってアーム部全体がやや進行方向側に癖が付いてポーズの瞬間に強いキックバックアクションが出るようになり、よりピンスポットでの誘いが利くようになります。 ただしこのまま長期間保存して癖が付き過ぎると逆にアクションが駄目になってしまうのでそうなったら、あるいはそうなる前に元のブリスターに戻して癖を取ります。 この繰り返しで長期に渡って使えるのがエラストマー素材の良い所ですので、使いこなしの一例として参考にしていただければ幸いです。 さて3部に渡ってお届けいたしましたキングジミーヘンジの開発秘話はいかがでしたでしょうか。 今までのジミーヘンジシリーズの中では異端といえるコンセプトとジャッカルでは初となる塩入りエラストマー素材を採用した理由を余すところなくお伝えできたのではないでしょうか。 もちろんここで書いた他にも、使いこなし方に無限の可能性を持っている新ジャンルのソフトルアーですので、これを読んでキングジミーヘンジをお求めいただきました皆様には是非とも型に捕らわれない自由な使い方を実際のフィールドで発見し、実践していただければと思います。 この春はキングジミーヘンジで良い釣りを! 投稿 キングジミーヘンジ開発秘話 第3章 は FRESH WATER バス釣り |JACKALL|ジャッカル|ルアー に最初に表示されました。
