2025年春、Revoltageに新機種が登場します。 その中で僕自身が幾度ものテストを行い、長い時間を掛けて“完璧”と言える状態に持ってくることができたロッドの一つ【RV-S56XUL/L-ST】。 主眼に置いているのは2023年のJB TOP50桧原湖戦で確立し、優勝に繋がったスモールマウスレイク発祥の新メソッドである「あの釣り」。 極小ワームのホバストセッティングで中層を釣るという、極めて集中力を必要とする釣りであり、現存するどんなロッドでもやり切ることができないメソッドです。この釣りを一日集中してやり切ることができるロッドが必要であり、それが大きなアドバンテージになると確信し開発をスタートさせました。 最も扱いやすい5ft.6in.というレングス まずこのエリーゼの釣りにおいては以下の動画を見ていただきたい。 どんなに投げても10m以下とショートキャストを中心としたこの釣りですが、通常の2.5インチクラスのワームを用いたホバストとは異なり、マイクロベイトの場合はボディーが短く小さいため、ラインを少し揺さぶるだけで不自然な上下動を起こしてしまいます。極度のプレッシャーが掛かったトーナメントという状況においては、そういったごく僅かの操作ミスでバスに見切られてしまうのです。 今まではRevoltage シリーズの中で最も繊細なRV-S510SUL-STを使っていましたが、このロッドですら操作感が失われてしまうことがありました。もっとティップを柔らかくしレングスを短くしたい…そんな思いから様々なレングスをテストしました。 分岐点となった5ft.6in.というレングス 「5ft.6in.」これより短いとロッドとしての役割を果たし切れなくなり、ファイト中にラインへの負荷が大きくなってしまう。さらにはボートの下に潜られた際に、エレキのヘッドを躱しづらくなってしまうといったストレスが生まれてきてしまうことに気がつきました。ただ、5ft.8in.まで長くなると今度は大事な操作感と、シェイクした時の振り幅が大きくなってしまうため、最終的に5ft.6in.というレングスに落ち着きました。 XUL/L-ST(エクストラウルトラライト/ライト–ソリッドティップ)という特殊ロッドアクション パッと表記だけ見ればXULだから凄く柔らかいんでしょ?と思われるかもしれませんが、このロッドのイメージは超繊細ティップを持ったパワーフィネスです。 マイクロホバストは沖の中層というイメージもありますが、ボトム付近であったりストラクチャー周りでアプローチすることも多いです。 これは僕の経験上の話ですが魚にルアーを追わせて食わす釣りとは違い、魚を掛けた際にストラクチャーが近いため、フッキング直後にバスはカバーへ潜ろうとします。 この最初の突っ込みに耐え、素早くカバーから引き剥がすパワーが最も大切であることから、ベリーからバットにかけてのパワー設定はS510SUL-STよりも強くS61L-STに近いような強さを持たせています。(このセッティングの恩恵で3〜4オーバーのラージマウスバスでも難なく上がってきます。) これはTRAP microの強度とPE0.2〜0.3号のパワーを最大限使ってロッドを曲げきるためのセッティングになっています。(ですので、それ以外のセッティングでは目指した性能を存分に生かしきれない可能性があります。) ただし冒頭にも申し上げた通り、極めて繊細な操作が必要なので、ティップにはシリーズで最もやわらかく細いソリッドティップを搭載しています。 これはシェイクした時にカクカクした動きになりやすいマイクロホバストを極力ナチュラルに動かす必要があり、ワームの水掴みを超えない程度にシェイクを楽に続けるためのセッティングです。 水掴みを超えるような張りのあるティップであると、生き物感を失ったアクションになってしまい、結果的に見切られることがほとんどです。 この強弱が難しいシェイクを簡単にこなす為に、ソリッドの長さやテーパー感をミリ単位で調整しています。(エリーゼの背中側にテールまでフラット面を持たせてあるのも、シェイク時の水掴みを程よく持たせるためです。) 「Hover&Stay=ホバステ」特有のバイトを認知する能力 この釣りにおいてシェイクのしやすさと合わせて重要なのがバイト感知能力です。 あまりルアーを引っ張らないで中層を漂わせるこの釣りは、バスがほぼ静止状態でバイトしてきます。 バスは瞬時にカロリー計算ができる魚だと勝手に思っているのですが、大きいベイトを捕食する時は体力を消耗するがリターンも大きいので多少追いかけてもバイトします。スモールベイトは極力体力を消耗しないように捕食したいのか、近寄ってきて吟味してからバイトに至ります。 ルアーを吸って吐き出す際に口に絡みついたTRAP microの針先が表皮にノッた状態のほんの僅かな重みを感知できるティップの柔らかさと張り感、そして瞬時にフッキングすると同時に初期掛かりを決めることができるように、ソリッド部の真ん中あたり(第2ガイドと第3ガイドの間)から極端に張りを出しています。 これは何度も調整を行いましたが、この位置が少しズレるだけで人間のフッキング動作とロッドが仕事をする部分のズレに繋がり、結果的に怖いくらい釣果の差が出てしまうのです。 もっと突き詰めて言えばリールの重量やPEラインの質にもよってくることですが、とにかくこの感知能力が最も大切な釣りと言えます。 釣り方自体は非常に簡単なこの釣りですが、ほんの少しの差で釣果が天と地ほど変わることを身に染みて感じてきた僕が、細部に至って調整を重ねてきたマイクロホバスト超特化型ロッド。 是非このロッドでエリーゼの釣りを存分に楽しんでください。 投稿 【RV-S56XUL/L-ST】マイクロホバストを扱いきる超特化型ロッドのいろは。/藤田夏輝 は FRESH WATER バス釣り |JACKALL|ジャッカル|ルアー に最初に表示されました。
