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ハゼの生態とその解明 および擬態と進化の考察(2014-HAYASHI)
今年も林遊船の軒先にハゼが巣を作りました。
今年生まれたばかりの一番子、二番子たちが腹減った腹減ったと尾びれや胸びれをピタピタ鳴らして餌を催促する光景は毎年の風物詩となっております。
そんな子供たちの要求に応えるため親ハゼは今日も休みなく海へ飛び、ミミズやイソメを釣り師から掠め取っては子供たちのもとへ運びます。
あまり知られていないのですが、ハゼは繁殖期を迎えるとホウボウやトビウオのような胸びれが生えてきて、それを使うことで空中をある程度滑空することができるのです。
ホウボウver
胸びれが何故数種類あるのかといった問題は研究者間でも説がわかれているところなのですが、砂地が多いところではホウボウタイプ、風が強い海域などではトビウオタイプになるという説が一番有力と思われております。
ハゼは環境に適応する力が強く、未確認ではありますが、タコのような触手を備えたものや200kgを超えるマグロのように巨大になったものなどの報告もあがっており、いずれも進化の過程で備わった適応力のひとつと考えられています。
ちなみに、釣りをしているとたまに水面を跳ねている魚がいると思いますが、あれも大きく育ったハゼです。
光の反射や錯視、蜃気楼効果など複雑な条件が絡み合いハゼには見えないんですが、あれもまたハゼの擬態形態のひとつです。
そして巣立ちの時。
陸地で育ったハゼが江戸川放水路に帰る時です。
一斉に子供たちが巣立ち、江戸川に帰っていく瞬間は、まるで鳥の群れのようです。
魚編に弱いと書くイワシは、巨大な群れを作り外敵から身を守っていると言われています。
ハゼも群れを作り、天敵である鳥の姿に似せることで外敵から身を守っているのです。
陸地では肺呼吸だった身体も、海に戻った瞬間にエラ呼吸に変わり、それと同時に紫外線から身体を守っていたウロコも変化し、石化→炭化していきます。
仙台などでお雑煮に欠かせないと言われている「焼き干し」はこの炭化したハゼを干したもので、その姿形から焼き干しと呼ばれるようになったそうです。
なぜこのような形態になるのかはまだ解明されていないのですが、浄水効果が期待できるため非公式ではありますが水道各局の研究者がこぞって究明に明け暮れているとの話も伝わっています。
そして身体を徐々に塩分に慣らしながら、本来の生息場所である世界で最も深いといわれるマリアナ海溝へ28年もの歳月をかけて旅していくのです。
ハゼは身近な魚類のひとつと思われておりますが、このようにまだまだ未解明の部分も多く、いまなお全世界で数万人の研究者が問題に取り組んでいるそうです。
次回以降ではハゼを含む江戸川放水路を取り巻く複雑な生態系ーーとくに江戸川放水路に80頭生息していると言われる体長10mを越すジンベイザメの模様や、最近急成長してきたペンギンの巨大コロニー、満月の夜、江戸川放水路の海岸に大量に押し寄せるタラバガニの神秘などを取り上げる予定です。
ぜひこちらもご期待ください。
なーんてね(笑)
ここまで真面目に書くとこれはこれで面白いな(笑)
『秘密の動物誌』
ジョアン・フォンクベルタ著 ペレ・フォルミゲーラ著 荒俣宏/監修 管啓次郎/訳 (筑摩書房刊)
『鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活』
H.シュテュンプケ著 日高敏隆/訳 羽田節子/訳 (平凡社刊)
をちょっと思い出しながら書いてみました(笑)
こんなバカなこと書いてる船宿があってもいいんじゃね?(笑)
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